股関節の手術療法
股関節の手術には大きく3つの種類があります。当股関節センターの特徴も交えて、ご説明します。
人工股関節置換術(THA)
人工股関節置換術とは
骨盤側のおわん(臼蓋:きゅうがい)と太ももの骨(大腿骨:だいたいこつ)側のボール(骨頭:こっとう)を人工関節に入れ換えるのが人工股関節置換術です。 2016年時点には、約5万5000人の人が受けられました。
人工関節とは
臼蓋側にはカップ、大腿骨側にはステムと呼ばれるパーツが挿入されます。ステムの先端にボールが接続され、カップとかみ合わさることで股関節の動きを再現します。カップとボールとの間にはライナーと呼ばれるポリエチレンでできたパーツが挿入され、軟骨の役目を果たします。
人工関節の寿命・耐用年数
人工関節が体の中で長持ちするのか不安な方もいらっしゃるかもしれませんが、個人差はあるものの、15年~20年以上機能するというところまで、製品の技術と手術の技術の向上によって実現されてきています。
採用している人工股関節置換術の方法
人工股関節を挿入する前の、切開の方法にはいくつか種類があります。当股関節センターで採用している前側方進入法(OCM)は筋肉を切る必要がなく、脱臼のリスクも低い方法の一つです。
人工股関節置換術の手術時間
当股関節センターの平均は58分です。
人工股関節置換術の入院日数
当股関節センターで手術を受けた患者様の平均入院日数は全体平均10.5日(合併症なしの場合9.4日、合併症ありの場合21日)です。
人工股関節置換術のリハビリ
手術後にはリハビリテーションを行い、筋力や関節の動きを回復させ、日常生活復帰の準備をします。
当股関節センターには専任の理学療法士(PT)がおり、手術翌日から、リハビリテーションを開始します。
人工股関節置換術を受けた場合の治療費
社会保険による通常の1割~3割負担に加え、高額療養費制度によって自己負担限度額以上の支払が支給されるため、最終的な自己負担額は10万円~20万円程度に収まることが多いです。
人工関節についてよりお調べになりたい場合には、人工関節ドットコムの情報が参考になります。
当股関節センターにおける手術実績をご覧になりたい方は股関節センターの診療実績をご覧ください。
人工骨頭置換術(BHA・BHP)
人工骨頭置換術とは
骨盤側のおわん(臼蓋:きゅうがい)側には処置をほどこさず、太ももの骨(大腿骨:だいたいこつ)側のボール(骨頭:こっとう)のみを人工の骨頭に入れ換えます。
人工骨頭置換術の合併症
人工股関節置換術と同様に、脱臼、感染、血栓症・塞栓症のリスクがあります。
人工骨頭置換術のリハビリ
手術後にはリハビリテーションを行い、筋力や関節の動きを回復させ、日常生活復帰の準備をします。
人工骨頭置換術を受けた場合の治療費
社会保険による通常の1割~3割負担に加え、高額療養費制度によって自己負担限度額以上の支払が支給されるため、最終的な自己負担額は10万円~20万円程度に収まることが多いです。
関節温存手術(骨切り術)
関節温存手術は大きく以下の4種類に分けられます。
人工股関節置換術と比べると、より若い患者さんが受けることが多く、入院期間は6~8週間と長めです。
寛骨臼回転骨切り術(RAO)
股関節のおわん(臼蓋:きゅうがい)と太ももの骨(大腿骨:だいたいこつ)のボール部分(骨頭:こっとう)のかみ合わせを矯正する手術です。臼蓋を半球状にくり抜き回転させることによって、臼蓋のような骨頭を支える部分を作ります。
大腿骨外反 / 内反骨切り術
大腿骨頭の下の部分をくさび状に切り取り、大腿骨頭を外側や内側に傾けて臼蓋とのかみ合わせが良くなるように調整し、切った部分を金属プレートで固定します。
棚形成術
骨盤から取った骨を臼蓋の足りない部分に移植し、臼蓋のような骨頭を支える部分を作ります。
キアリ骨盤切り術
骨盤を臼蓋上方で切ってずらすことで、臼蓋のように大腿骨頭と噛みあわさる部分を作ります。