胸部外科当科について

外来診療担当医表


時間帯
午前
受付時間:08:30〜11:30
診療開始:09:00〜
診療なし 診療なし 診療なし
午後(予約のみ)
受付時間:12:30〜15:30
診療開始:13:00〜
診療なし
BHD専門外来
診療なし 診療なし

気胸研究センター(胸部外科)について

 玉川病院気胸研究センターは日本のみならず世界で最多の治療経験および実績を有する気胸専門施設であります。当研究センターは1986年に武野良仁医師により設立され、1990年より栗原正利医師が加わり2018年12月末の時点で9000例に及ぶ気胸患者さんの治療を行ってきました。年間来院気胸患者数は約500人に達し、そのうち入院治療が必要な患者さんは約350人になります。患者さんは北海道から九州・沖縄県まで日本全国から紹介されるのみならず、諸外国からも相談があります。また難治性気胸例や手術の出来ない程の合併症の多い重症患者さんについては大学病院や呼吸器の専門病院からの紹介が多数あります。これらの難治性気胸や稀少肺疾患の気胸はガイドラインとなる拠り所がないために各医師の経験のみで行われており、治療にもかかわらず回復が思うように行かないことが多いからです。
 気胸は若い男性に多く見られる疾患ですが、高齢化社会とともに高齢者の気胸も確実に増加しているのが現状と言えます。高齢者の気胸は肺気腫・間質性肺炎などの基礎疾患による難治性のものが多いのが特徴です。一方、女性の気胸も増加しております。女性の場合、いわゆる月経随伴性気胸と呼ばれる生理時に関係して気胸が起こる珍しい病態やLAM(リンパ脈管筋腫症)と呼ばれる稀少肺疾患が隠れていることがあり、女性気胸は十分注意が必要です。その他、最近注目されているBHD症候群や造血幹細胞移植後に発症するGVHDによる難治性気胸が増加しています。これらの疾患に対して従来の治療法では治療に限界があります。
 気胸は他にも様々な肺疾患で起こります。肺の病気の大部分(肺がん、喘息、肺結核や真菌症などの感染症、COPDや間質性肺炎、その他あらゆる肺疾患)が気胸を起こすと言っても過言ではありません。様々な基礎疾患に応じて気胸の治療も異なります。他の病院にはない治療の選択肢を幅広く持っていることが当研究センターの特徴であります。 多くの治療経験から、胸腔鏡手術だけでなく当研究センターで開発したいくつかの治療法が効果的であり、これらは国内でも海外でも優れた方法として評価されています。さらに当研究センターは気胸の研究面において日本のみでなく世界的にも高い評価を受け気胸学の情報発信基地としての役割も果たしてきました。
 最近、医療の高度化・細分化や時代の流れとして、様々な疾患にセンターと名付ける施設が増加していますが、センターと名付けることに対して厚労省による基準も規則もありません。自由に名付けて良い名称です。症例数の多さは一つの判断材料になりますが、それだけで医療の質を見極めることは出来ません。 患者さんから「病院により、医師により説明が異なり、どれを信じて良いか判らない」と聞くことがしばしばあります。それは他の疾患に比べ気胸・肺嚢胞はガイドラインを作成しにくい疾患なのです。Second Opinionをしても迷ってしまうことも事実です。
 それでは患者さんや家族はどうしたら良いか? 受診する医師の力量や実力を患者さん自身で見極めなければなりません。それはとても難しいことです。最終的には直接外来を訪れ、判断するしかないです。対面した医師がどれだけこの疾患に対して真摯に情熱を持って診断や治療をしているか。どれだけこの疾患に対して謙虚さや堅実さを持って診療にあたっているか。どれだけ気胸・肺嚢胞疾患で悩んでおられる患者さんの声を拾い上げて、解決策を見いだしてくれるか。これらを皆さんが感じとれる医師に出会うことが重要でしょう。私たちは、今後も患者さんとそうした信頼関係を築ける専門施設であり続けたいと考えています。

  • 日本外科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会、日本内視鏡外科学会
  • 日本呼吸器学会、日本気管支学会、日本気胸学会
気胸・肺のう胞スタディグループへのリンク

気胸研究センター長より

栗原気胸研究センター長
胸部外科部長/気胸センター長:栗原 正利

気胸という病気は肺に穴が空くという理解しやすい病態ですが、その裏には様々な問題が潜んでいます。気胸・肺嚢胞を長年専門にしていると、他の医師には気づかない、また医学の専門書にも出てこないことが見えてきます。例を挙げると「気胸はストレスが原因で起こる」と私は考えています。こんなことは医学界では「まさか?そんなはずはない」と否定されてしまいます。しかし9000人以上の患者さんを診ている私と気胸で困っている患者さんには理解してもらえるかも知れません。また患者さんから「病院によって医師によって言うことが様々です。私は何を信じたら良いのか判らない」としばしば言われることがあります。これも事実です。気胸学は研究者も少なく、研究の過程も牛歩のあゆみですし、呼吸器を専門にしている医師の間でも情報が少なく思い込みや自己経験でやっていることがあるのも事実です。私は多くの女性の気胸を治療していてどうも男性の気胸とは根本的に違うのではないかとも感じています。これも医学会では否定されてしまいます。女性の気胸には特殊な気胸があります。いわゆる月経随伴性気胸やリンパ脈管筋腫症という稀少肺疾患です。原発性女性自然気胸も含めて女性の気胸は少ない。少ないと学問的な進歩も遅いわけで情報も少ない。そうした場合は数多く治療しているEXPERT OPNIONがとても重要になります。真の専門家とは、専門家以外の医師が1cm単位で病気や患者さんを観察するところを1mm 単位の尺度で洞察してゆく人達であると考えています。そうした経験や視点から、気胸・肺嚢胞で困っている患者さんや気胸・肺嚢胞のことがもっと知りたい患者さんたちに少しでも役立つアドバイスと治療ができればと思っています。気胸を巡る諸問題をトータルで患者さんと共に考えて解決してゆくのが気胸研究センターの役割です。医療の分野でも情報開示やセカンドオピニオンの時代です。どのような気胸・肺嚢胞にも相談できる施設として日々努力して参ります。

栗原 正利 医師はBestDoctorsに選出されています

BestDoctors(ベストドクターズ)とは

ベストドクターズ社は病に苦しむ方々が最良の医療を受ける手助けがしたいという強い思いのもと、1989年にハーバード大学医学部所属の医師2名によって創業されました。米国マサチューセッツ州ボストンに本社を置き、現在70カ国で3,000万人以上の方々にサービスを提供しています。

ベストドクターズ社では過去30年近くにわたり、各分野で優れた医師についての調査を実施しており、世界中で53,000名以上のドクターが様々な専門分野ごとに登録されています。日本国内で登録されているドクターは約6,500名ほどおります。

外来診察日

月曜日(午前)、火曜日(午前)、木曜日(午後)、金曜日(午前)です。受診の際は電話かFAXまたは病院のHPでお問い合わせください。

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