お知らせ当院に腎臓病療養指導士が誕生しました!

当院に腎臓病療養指導士が誕生しました!

腎臓病療養指導士

日本腎臓病協会から、2018年734名、2019年317名、計1051名(看護師623名、保健師3名、管理栄養士211名、薬剤師214名)が認定されました。
当院では以下の4名が資格試験に見事合格し認定されました。
山内美希 看護師
竹場和代 薬剤師
榎木瑞穂 薬剤師
小河原由佳 薬剤師

腎臓病療養指導士制度創設の背景

慢性腎臓病(CKD)とは、蛋白尿や血尿がみられ、あるいは腎臓の働きが正常の60%未満(eGFR<60mℓ/分/1.73㎡)に低下している状態が、3カ月以上経過する腎臓病の総称で、国内に約1330万人(約8人に一人)いると推定されています。さらに高齢化や生活習慣病を背景に今後も増加することが見込まれています。CKDは、腎機能の悪化だけではなく心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患の重大な危険因子ですが、初期には自覚症状がほとんどありません。なるべく早い時期に発見し治療をはじめ、進行を遅らせることが重要で、そのためには、血圧・血糖・脂質・尿酸・貧血のコントロールなどの集学的治療が必要です。このような集学的治療には、薬物療法とともに食事療法や生活習慣の改善が重要となり、一人の患者さんに専門的な知識をもつ複数のメディカルスタッフ(医療専門職)が連携して治療やケアに当たるチーム医療が必須です。  しかしながら、多数のCKD患者さんを限られた数の腎臓専門医や専門スタッフだけで診療することは不可能ですので、CKD診療の水準をより向上させるためには、医師だけでなく看護師、管理栄養士、薬剤師をはじめとする多職種が互いに協力しながら、各領域の知識と経験を生かした療養指導を継続的に行っていくことが求められます。 以上のような背景から,日本腎臓学会、日本腎不全看護学会,日本栄養士会,日本腎臓病薬物療法学会が合同で2016年から「腎臓病療養指導士」制度創設の具体的取り組みが始まり、2018年4月からスタートし現在はNPO法人日本腎臓病協会が運営しております。

腎臓病療養指導士の対象と要件

腎臓病療養指導士は次のように定義されます。
「CKDとその療養指導全般に関する標準的かつ正しい知識を持ち、保存期CKD患者に対し、一人ひとりの生活の質および生命予後の向上を目的として、腎臓専門医や慢性腎臓病に関わる医療チームの他のスタッフと連携をとりながら、CKDの進行抑制と合併症予防を目指した包括的な療養生活と自己管理法の指導を行い、かつ、腎代替治療への円滑な橋渡しを行うことのできる医療従事者」。
簡単にいえば職種横断的なCKD療養指導に関する基本知識を有した方を育てるための資格です。
対象となる職種は、看護職(看護師、保健師)、管理栄養士、薬剤師の3分野で、応募要件はCKDの療養指導に関する実務経験、講習会の受講、所定の研修およびこれを証明する症例要約の提出と認定試験からなります(詳細は日本腎臓病協会ウェブサイトを参照)。
自らの職種だけでなく他領域におけるCKD療養指導の実習・見学と所定数の症例報告の提出が求められるため、取得の過程で職種横断的な知識が共有され多職種間の連携が自然に身につく仕組みとなっています。

期待される役割

標準的なCKD療養指導を全国各地に普及させることが目的のため、各領域の専門資格取得に必要とされるような高度な専門性は要求されません。そのかわり、CKD療養指導に必要な基本的、標準的な知識と技能については、自身の職種以外の領域に関する内容も求められ、これにより医師のもとでCKD患者の基本的な療養指導を一人で行うことが可能となります。
腎臓病療養指導士の方には、当院で行っております多職種によるCKD包括的指導の中心として一層の活躍が期待され、ともに慢性腎臓病のさらなる診療水準の向上をめざしていきたいと考えております。
なお、資格取得に関して興味のある方は、お気軽に御相談下さい。

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