お知らせ熱中症にご注意ください

熱中症にご注意ください

真夏の暑い時期に多発する熱中症ですが、実は、総務省消防庁の統計によると熱中症で救急搬送された人数は、季節の変わり目の気温が急激に高まる6月から増え始め、梅雨明けの7月から8月上旬がピークになっています。

それは、暑さに体が慣れていないことが大きな理由です。季節の変わり目の時期は、汗腺が〖暑熱順化〗(暑さに体が適応した状態のこと) ができておらず、体温が上昇しても汗をかきにくく、また、汗をかくとナトリウムを体外に放出しやすい状態が続いています。
体温の上昇を察知して汗をかき始めるまでが遅く、ひとたび多くの汗をかくと水分だけでなくナトリウムも失われてしまいます。同じ体温でかく汗の量が少なくサラサラの汗をかきにくいので体温調節が遅れ、体液量の少ない季節の変わり目の時期や高齢者は一気に熱中症に陥ってしまうことになります。

暑熱順化すると・・・

体温の上昇を察知して汗をかき始めるタイミングが早くなる

体液量が増えて水分喪失に対する予備力が高くなる

熱中症になりやすいのは?

救急搬送された方のおよそ半数が高齢者となっています。
発生場所で最も多かったのが自宅27.5%で、高齢者に至っては60%程度が老人施設を含む自宅で発生しています。
これには、理由があります。

高齢者が脱水に陥りやすい理由

  1. 体内総水分量が減少してくる
  2. のどの渇きを自覚しにくくなる
  3. トイレを気にして、水分をとらなくなる
  4. 腎臓の働き(尿濃機能)が低下し、体の水分を節約しにくくなる
  5. エアコンが効きすぎることが嫌い
  6. 足腰が悪く防犯上の理由から1階に住んでも窓を閉め切ることが多い

など

そもそも熱中症とは?

熱中症は高温環境下でおこる
①体内の水分や電解質(ナトリウムやカリウムなど)の欠乏、それに続く
②高体温による各臓器の障害の総称です。
熱中症は、脱水症から始まり、発汗不能が起ることで体温調節が上手く働かなくなり体温上昇をすることから生じます。熱中症の症状

熱中症の初期の症状は脱水症の症状です。
めまいや立ちくらみ、だるくて足がつる、首筋のべたつき感、汗が拭いても拭いても出てくる、これらが初期の熱中症です。
その後、発汗不能となり、熱を体の外に出すことができなくなります。
皮膚が赤みを帯びて乾燥し、弾力を失い体温が上昇することによって熱中症に陥ってしまいます。
頭痛や嘔気・嘔吐、意識が何となくおかしい、返答がおかしい、痙攣するなどの症状が出てきた場合には、重症の熱中症のサインですので直ぐに病院を受診することが大切です。


熱中症の予防

●調を整える・・・体調の悪いときは、暑い日中の外出・運動を控える
●服装に注意・・・通気性の良い服装を選び、外出するときは日よけ(帽子・日傘・日陰を利用)対策をする
●こまめに水分補給・・・定期的に少しずつ、水分補給(できれば経口補水液が良い)をする
●年齢を意識(若年か高齢者か)して、予防の対応を工夫する
●部屋の温度と湿度を測り、上がりすぎていないか確認する
●エアコン・扇風機の利用や、窓を開けて通気性を保つ
 
※経口補水液は冷凍せず、砂糖などの追加はせずに用いることが大切です。
また、無理に飲ませようとしたり、症状が改善しないのに経口補水液に頼りすぎたりしないことも大切です。
健康な方には経口補水液はあまり美味しくありません。美味しいと感じるような方は脱水症の可能性が高いことも覚えておきましょう。
真夏になる前に、汗をかく習慣を身につけることで、夏の暑さに抵抗しやすくなり熱中症になりにくくなってきます。

熱中症の応急処置

熱中症を疑った時には何をすれば良いのでしょうか。
まずは、脱水症の存在があるかを疑ってみることです。
初期の脱水であれば体重が1~2%程度低下して心拍数が増加(かくれ脱水)していることも参考になります。
日頃から注意しておくことも大切です。



現場での応急対応の注意点は、

①熱中症を疑う症状の有無を確認
②意識レベルの確認
③涼しい環境への非難や脱衣と冷却の実行 
④水分・塩分の自力摂取を促す
となります。

意識レベルがおかしい、水分を自力で摂取できない、回復しないなどがあれば、迷うことなく医療機関へ搬送することが必要です。

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