ヘルニアセンター(予約制)2016年 業務実績

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2016年度  2015年度 

スタッフ紹介(2017.3現在)

院 長:中嶋 昭
外科部長・地域包括ケア病棟長:佐藤 康
外科部長:川村 徹
外科医長:野谷 啓之
医  員:岩田 紀子、篠原 元
院外共同研究者:小郷 泰一、藤原 直人、浅野 大輔、岡本健太郎、星野 明弘、東海林 裕(東京医科歯科大学 外科)

活動状況

  1. ヘルニアの画像診断
    当センターが長年実績を積み、学会をリードしてきた術前診断の意義と有用性については一定程度の評価を受け、多くの施設が追随するに至っている。具体的にヘルニアの客観的術前画像診断法は、当センターの特徴としてきたヘルニオグラフィーがやや侵襲的で時代のニーズに合わなくなってきたこと、近年におけるCTやエコー検査の解像、診断能力の著明な向上、などによってルーチン検査をヘルニオグラフィーから非侵襲的なCTないしはエコーとした。ヘルニオグラフィーは診断困難例、潜在例、再発例などに限定した。
  2. 短期滞在手術の導入と実施
    2014年診療報酬改定によって病院における鼠径ヘルニア手術は短期滞在(5日以内)手術として包括となった。当センターでは既に要件を満たす範囲で実行していたが、この制度によって育児中や現役世代のニーズに十分こたえられるようになった。外来・病棟・手術室・および事務業務は繁忙となったが、パスの導入などによってスムーズな運営がなされている。心血管系疾患などを合併し術前ヘパリン化を必要とする症例を除いて、バリアンスの発生はほぼ0である。
  3. 治療法の展開
    ① 2009年、腹腔鏡下修復術(TAPP法)を導入し、アプローチ、術式の安定化を図るとともに、標準術式とし、現在はほぼ全例を適応としている。
    ② 当センターでは年齢、性、ヘルニア分類などを考慮した術式選択(テーラーメイド治療)を特徴としてきた。若年者とくに若年女性のヘルニアに関しては人工物(メッシュ)を使用しない術式が適応することを長年に渡って発表し、賛同を得てきた。現在はTAPP法によって若年~中年女性(40歳以下)全例を非メッシュ法の適応とし、良好な成績を上げている。
    ③ 女性のNuck管嚢腫についてもTAPP法による治療を確立し、子宮内膜症との関連についても研究を進めている。
    ④ 腹腔鏡下手術の非適応は前立腺や膀胱癌術後、全身麻酔不可症例などとされてきたが、当センターでは前立腺・膀胱手術後症例についてはTAPP法での可能性を求め研究した。結果、かなりの症例で可能であるものの、一部は非適応であることから、オープン手術との組み合わせ(ハイブリッド)での対応とした。これらの症例のフォローアップ成績によって展開を図っていく。
    ⑤ 当センターで考案したピオクタニンオリエンテッド法などの工夫によって通常のⅠ型やⅡ型の術式を定型化することが出来、TAPP法の安定化と迅速化が達成された。本法は治療困難例とされる巨大ヘルニアやDe Novo型、Sliding型のヘルニアにおいても非常に有用であり、症例の蓄積と学会発表を継続して行っている。
    ⑥ 小児鼠径ヘルニアの腹腔鏡治療(LPEC)の導入
    小児鼠径ヘルニアの治療に関しては当院の事情、成育医療センターの活動などにより年間数例の対応にとどめてきたが、この領域の腹腔鏡下手術の開発・展開は当センターの活動要素としても有用であると判断し、術式の開発者である沖縄ハートライフ病院の嵩原裕夫先生のもとに2名を派遣し導入した。現在までに1例の女児に適応した。
    ⑦ プロモーションビデオを作製、活用した。
  4. 研究・教育活動
    日本ヘルニア学会学術集会、日本臨床外科学会総会において発表と座長を務めた。
    医学雑誌 臨床外科にヘルニア手術手技を掲載した。

今後の目標

  1. 腹腔鏡下手術のさらなる展開と工夫
    メッシュ素材と形状やサイズの選択、固定危惧(タッカー)の選択とタッキング法の検討、など
  2. 治療困難例の治療法の工夫と対策
    腹腔鏡下修復術を中心とし、ハイブリッド法、オープンメッシュ法などでの適切な治療を研究、開発する。
  3. 情報活動の活性化
    症例数の増加につながる企画の展開。
    プロモーションビデオの活用
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