股関節センター(予約制)2008年度 業務実績

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2008年 診療実績

スタッフ紹介

センター長(部長 兼任):松原正明
センター員:萩尾慎二、平澤直之
センター員(非常勤):石井研史、奥田直樹
秘書(非常勤):松井典子
2008年4月より石井医師の転任にともない、平澤医師が着任した。

業務実績

 股関節センター設立5年経過した2008年における当センターの実績としては、国内・国際学会での数多い発表、講演、ならびにこれらの基礎となる小侵襲手術手技の開発工夫や正確な手術を目的とした ナビゲーション手術の施行、安全で快適な術後を送るための肺血栓塞栓(VTE)予防策の開発、術後超早期リハビリの実行と新しい人工関節の開発を行ってきた。
 また本年度も、各大学・医療施設より手術見学を多数受け入れ、新しい股関節外科治療技術の指導ならびに情報交換を行い、具体的には中殿筋非切離による小皮切人工股関節置換術を導入することにより、 患者の術後疼痛の軽減をはかるなど、新しい股関節外科手術法の開発・検討結果を示しながら実際の手術手技の指導ならびに問題症例への具体的な治療方針のコンサルテーションなどを行っている。一方、 地域の特性として、例年のことながら当地区における高齢者の増加は年々顕著となっている。これに伴い、当科における大腿骨頚部骨折の増加傾向も明らかである。これらの高齢者の骨折に対しては、当院の 内科(循環器科、呼吸器科、透析センター)、麻酔科各科との好意的な協力が得られており、積極的に外科治療を行い良好な成績をあげている。
 急性期病院でありながら、人工骨頭置換術では平均32日の入院、骨接合術では平均35日でほぼ外傷受傷前のレベルまで回復し、自宅あるいは入所施設に退院している。変形性股関節症に対する人口関節 置換術は、2004年4月より術後2週プログラムを用い、合併症がある症例をすべて含んだ平均在院日数は29日(術後25日)、合併症のない症例では平均在院日数は16日(術後15日)であった。また、再置換術 における在院日数は平均39日(術後36日)であり、全員自宅へ歩行退院している。なお、臼蓋形成不全症例に対しては、症例に応じて寛骨臼回転骨切り術(RAO)、臼蓋形成術(Chiari、Spitzy)を行い、 良好な成績を得ている。RAOの平均在院日数は32日(術後30日)であり、合併症等はみられていない。臥床中はフット・ポンプを使用し、臨床検査科の多大な協力のもと全例に術当日離床前に下肢超音波 (エコー)検査による下肢静脈血栓の有無を確認した上で、術当日の離床を行い、深部静脈血栓、肺塞栓、肺梗塞の予防につとめ、2002年以降重篤な有症性PEの発症はない。br/>  2008年の当施設の手術見学者:我汝会えにわ病院、札幌医科大学、日本医科大学、山田赤十字病院、名古屋第一赤十字病院、岐阜赤十字病院、都立大塚病院、貢川病院、海老名人工関節センター、 鶴瀬病院、船橋整形外科病院、埼玉県立リハビリテーションセンター、東京警察病院、虎の門病院分院、福岡飯塚病院の計15施設であり、見学者数は17名であった。

手術症例

2008年における入院手術治療ならびに合併症の実績は下記のごとくである。
人工関節置換術:360関節(THA:354関節、表面置換:6関節)
変形性股関節症:二次性269関節 / 人工股関節置換術312関節、表面置換術6関節、乾癬性1関節 / 人工股関節置換術1関節、骨軟骨腫症後1関節 / 人工股関節置換術1関節、人工関節のゆるみ:27関節 / 人工股関節 再置換術27関節、大腿骨頭壊死:13関節 / 人工股関節置換術13関節、臼蓋形成不全:4関節 / 寛骨臼回転骨切り術(RAO)4関節、人工股関節感染(他医より):5関節 / 抜去抗生剤入り骨セメント挿入5関節 人工股関節術後脱臼(他医より):3関節、股関節骨軟骨腫症:1関節 / 関節切開・遊離体摘出・滑膜切除術1関節、股関節唇骨化症:2関節 / 骨化切除術2関節、股関節唇損傷:5関節 / 鏡視下股関節唇部分切除術5関節、 股関節ガングリオン:3関節 / 切除術3関節
大腿骨頚部骨折(内側型):68関節 / 人工骨頭置換術63関節、ハンソンピン固定術2関節、骨頭摘出術3関節
大腿骨頚部骨折(外側型):77関節 / 骨接合術77関節
結核性股関節炎:2関節(関節切開洗浄2関節)、化膿性股関節炎:3関節(関節切開洗浄3関節)、腸腰筋膿瘍:2関節(関節切開排膿2関節)、単純性股関節炎1関節、先天性股関節脱臼:1関節
その他:2関節

手術成績

手術成績については、人工股関節置換術では長期成績が重要であるが、短期成績としては、術後感染の有無と術後脱臼の有無が問題とされる。術後早期感染は2005年に1例発症したが、術後早期の皮下感染が原因と考えられ、発症早期に洗浄、病巣掻爬を行うことにより、現在までのところ炎症所見、臨床所見とも全て陰性であり、再燃は見られていない。また術後入院期間に影響する術中骨折の発症は、2008年は5例(1.8%)に発症したが、いずれも術中の処置、術後リハビリの2週程度の延長により治癒している。当センター開設後における人工股関節置換術ならびに人工股関節再置換術は、合計1,134股であり、発症率は、0.09%である。また術後脱臼については、2006年に1例のみ発症した以後発症してない。現在、初回人工股関節置換術については、2006年8月以降ほぼ全例に筋腱切離を行わないRoettingerらによるAL法(Antero-lateral Watson-Jones変法)を用いたMIS(Minimally Invasive Surgery;最小侵襲手技)による手術を施行している。変形性股関節症に対する骨切り術や、臼蓋形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術においては、術後感染、合併症などは生じていない。

股関節専門外来

毎週火曜日、金曜日の午後に股関節専門外来を開設している。外来患者数は、開設とともに徐々に増加しており、現在毎回平均35名が外来に受診され(延べ4,200人/年)治療を受けている。

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