股関節センター(予約制)2014年度 業務実績

※各年度ごとの業務実績をご覧になる方は、ご希望の年度をクリックして下さい。

2016年度  2015年度  2014年度  2013年度  2012年度  2011年度  2010年度  2009年度  2008年度  2007年度  2006年度  2005年度  2004年度 

2014年度 診療実績

スタッフ紹介

センター長(部長 兼任):松原正明
医 長:野木圭介
センター員:木村晶理、加瀬雅士、山田淳
センター員(非常勤):平澤直之、石井研史、萩尾慎二、奥田直樹、小川博之、長束由里、佐藤敦子
2014年4月より長束医師の転任にともない、山田医師が着任した。

業務実績

股関節センターにおける2014年の実績としては、これまで同様、国内・国際学会での数多い発表、講演、ならびにこれらの基礎となる小侵襲手術手技の工夫や術後超早期リハビリの実行と正確な手術達成のための3D-CTモデル活用したナビゲーション手術(厚生労働省認可:先進医療)の開発・施行、新しい人工股関節の開発、さらにはCTを用いた人工股関節手術における3Dテンプレーティング・ソフトの共同開発を行っている(国立研究開発法人日本医療研究開発機構 A-STEP研究)。さらに本年末から来年度にかけて大阪大学・千葉大学と共同開発してきた日本人適合人工股関節の開発の結果として新しいステムの市場導入を予定している。また、これまで同様、各大学・医療施設より手術見学を多数受け入れ、新しい股関節外科治療技術の指導ならびに情報交換を行い、引き続き、中殿筋非切離による小皮切人工股関節置換術を全例に用いることにより、患者の術後ADLの早期改善をはかるなど、新しい股関節外科手術法の開発・検討結果を示しながら実際の手術手技の指導ならびに問題症例への具体的な治療方針のコンサルテーションを行っている。その上で、臨床能力向上のために東京股関節研究会を年5回主宰しており、本年は63回目を数えるに至っている。
一方、地域に密着した医療の遂行を掲げる当院の目標のもと、増加傾向にある当地区における高齢者の大腿骨近位部骨折に対しては、当院の内科(循環器科、呼吸器科、消化器科、腎センター)、麻酔科各科、さらには臨床検査部超音波検査科との非常に好意的な協力を得て、積極的に外科治療を行い良好な成績をあげている。急性期病院でありながら、人工骨頭置換術では平均28日の入院へと昨年同様入院期間は短く、骨接合術では平均35日でほぼ外傷受傷前のレベルまで回復し、自宅あるいは入所施設に退院している。
変形性股関節症に対する人工股関節置換術は、2004年4月より術後2週プログラムを用い、合併症がある例をすべて含んだ平均在院日数は20日(術後17日)、合併症のない症例では平均在院日数は12日(術後11日)であった。また、再置換術における在院日数は平均39日(術後36日)であり、全員自宅へ歩行退院している。なお、臼蓋形成不全症例に対しては、症例に応じて寛骨臼回転骨切り術(RAO)、臼蓋形成術(Chiari、Spitzy)を行い、良好な成績を得ている。RAOの平均在院日数は30日(術後27日)であり、合併症等は見られていない。臥床中はフット・ポンプを使用し、臨床検査科の多大な協力のもと全例に術当日もしくは術翌日の離床前に下肢超音波(エコー)検査による下肢静脈血栓の有無を確認した上で、離床を行い、深部静脈血栓、肺塞栓、肺梗塞の予防につとめ、2002年以降重篤な有症性PEの発症はない。

【2014年の当施設手術見学者】
・富士見病院 ・東急病院 ・北里研究所病院 ・豊川市民病院 ・島根大学
・中濃厚生病院 ・三井病院 ・徳島市民病院 ・中東遠総合医療センター
・都立大塚病院 ・大阪市立大学 ・済生会横浜市東部病院 ・帝京大学
・国立病院名古屋医療センター (計14施設)

【見学者総数】
18名

手術実績

手術成績については、人工股関節置換術では長期成績が重要であるが、短期成績としては、術後感染の有無と術後脱臼の有無が問題とされる。今年度の術後早期感染は7例発症したが、この内5例は術後早期の皮下感染が原因と考えられるもので、発症早期に洗浄、病巣掻爬を行うことにより、現在までのところ炎症所見、臨床所見とも全て陰性であり、再燃は見られていない。また残りの2例は術後早期に生じた深部感染で、基礎疾患としてDM、リウマチによるステロイド内服中など、感染に弱い症例であったが、これらについても発症早期に洗浄、病巣掻爬を行うことにより、現在までのところ炎症所見、臨床所見とも全て陰性であり、感染の鎮静化が見られている。術中骨折の発症は2014年5例(0.7%)に発症したが、いずれも術中に骨折の固定を行い入院期間の延長なく治癒した。
現在、初回人工股関節置換術については、2006年8月以降全例に筋腱切離を行わないRoettingerらによるAL法(Antero-lateral Watson-Jones変法)を用いたMIS (Minimally Invasive Surgery;最小侵襲手技)による手術を施行している。術後脱臼発生頻度については、中殿筋非切離進入法を用いてから初回人工股関節全置換術総数3416例中3例にのみ術後脱臼が発症し、発症率は0.08%であり、2014年度に術後早期の再置換術を要した症例も2例0.3%であった。内訳はcupの設置角度が不適切なためにインプラントの移動が生じたものであった。変形性股関節症に対する骨切り術や、臼蓋形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術においては、術後感染、合併症などは生じていない。

股関節専門外来

毎週火曜日、金曜日の午後に股関節専門外来を開設している。外来患者数は、開設とともに徐々に増加しており、現在毎回平均56名が外来に受診され(延べ12,000人/年)治療を受けている。

今後の目標

  1. 先進医療(正確な手術達成のための3D-CTモデル活用した新ナビゲーション手術;厚生労働省認可)のさらなる開発・施行
  2. 新しい人工股関節stemの開発(2015年発売予定)
  3. CTを利用した3Dテンプレート・プログラムの開発
  4. 新しい人工股関節cupの開発

学会発表・研究業績

2014年度学発表・研究業績はこちらから

Top