股関節センター(予約制)2009年度 業務実績

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2009年 診療実績

スタッフ紹介

センター長(部長 兼任)松原正明
センター員:奥田直樹、平澤直之、野木圭介
センター員(非常勤):石井研史、萩尾慎二、佐藤敦子
秘書(非常勤):松井典子
2009年4月より萩尾医師の転任にともない、奥田医師、野木医師が着任した。

業務実績

股関節センターは設立後6年が経過した。当センターにおける2009年の実績としては、これまで同様、国内・国際学会での数多い発表、講演、ならびにこれらの基礎となる小侵襲手術手技の開発工夫や正確な手術を目的としたナビゲーション手術の施行、安全で快適な術後を送るための肺血栓塞栓症(VTE)予防策の開発、術後超早期リハビリの実行と新しい人工股関節の開発を行っている(研究業績参照)。
また本年度も、各大学・医療施設より手術見学を多数受け入れ、新しい股関節外科治療技術の指導ならびに情報交換を行い、昨年に引き続き、中殿筋非切離による小皮切人工股関節置換術を全例に用いることにより、患者の術後ADLの早期改善をはかるなど、新しい股関節外科手術法の開発・検討結果を示しながら実際の手術手技の指導ならびに問題症例への具体的な治療方針のコンサルテーションを行っている。
一方、地域の特性として、例年のことながら当地区における高齢者の増加は年々顕著となっている。これに伴い、当科における大腿骨頚部骨折の増加傾向も明らかである。これら高齢者の骨折に対しては、当院の内科(循環器科、呼吸器科、消化器科、腎センター)、麻酔科各科との好意的な協力が得られており、積極的に外科治療を行い良好な成績をあげている。
急性期病院でありながら、人工骨頭置換術では平均32日の入院、骨接合術では平均35日でほぼ外傷受傷前のレベルまで回復し、自宅あるいは入所施設に退院している。
変形性股関節症に対する人工股関節置換術は、2004年4月より術後2週プログラムを用い、合併症がある例をすべて含んだ平均在院日数は29日(術後25日)、合併症のない症例では平均在院日数は15日(術後14日)であった。また、再置換術における在院日数は平均39日(術後36日)であり、全員自宅へ歩行退院している。
なお、臼蓋形成不全症例に対しては、症例に応じて寛骨臼回転骨切り術(RAO)、臼蓋形成術(Chiari、Spitzy)を行い、良好な成績を得ている。RAOの平均在院日数は32日(術後30日)であり、合併症等は見られていない。臥床中はフット・ポンプを使用し、臨床検査科の多大な協力のもと全例に術当日離床前に下肢超音波(エコー)検査による下肢静脈血栓の有無を確認した上で、術当日の離床を行い、深部静脈血栓、肺塞栓、肺梗塞の予防につとめ、2002年以降重篤な有症性PEの発症はない。
2009年の当施設手術見学者:富士見病院、埼玉県立総合リハビリテーションセンター、なめかた地域総合病院、社会保険紀南病院、国立埼玉病院、聖路加病院、海南病院、江南病院、多摩南部地域病院の計9施設であり、見学者総数は13名であった。

手術実績

手術成績については、人工股関節置換術では長期成績が重要であるが、短期成績としては、術後感染の有無と術後脱臼の有無が問題とされる。
術後早期感染は2005年に1例発症したが、術後早期の皮下感染が原因と考えられ、発症早期に洗浄、病巣掻爬を行うことにより、現在までのところ炎症所見、臨床所見とも全て陰性であり、再燃は見られていない。
また術後入院期間に影響する術中骨折の発症は2009年は7例(1.9%)に発症したが、いずれも中殿筋非切離法を用いた手術であったため、特別な治療を行わずとも骨片の移動なく治癒した。
当センター開設後における人工股関節置換術ならびに人工股関節再置換術は、合計1,515股である。現在、初回人工股関節置換術については、2006年8月以降全例に筋腱切離を行わないRoettingerらによるAL法(Antero-lateral Watson-Jones変法)を用いたMIS(Minimally Invasive Surgery;最小侵襲手技)による手術を施行している。
術後脱臼発生頻度については、中殿筋非切離進入法を用いてから総数784例中1例にのみ術後脱臼が発症し、発症率は0.12%であり、術後早期の再置換術は2例0.24%である。内訳は大腿骨骨折とこれに伴うインプラント移動のために施行した1例と術後脱臼を繰り返した1例に行っている。
変形性股関節症に対する骨切り術や、臼蓋形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術においては、術後感染、合併症などは生じていない。

股関節専門外来

毎週火曜日、金曜日の午後に股関節専門外来を開設している。外来患者数は、開設とともに徐々に増加しており、現在毎回平均40名が外来に受診され(延べ4,800人/年)治療を受けている。

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