股関節センター(予約制)2007年度 業務実績

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2007年 診療実績

スタッフ紹介

センター長(部長 兼任):松原正明
センター員(医長 兼任):石井研史、(同)萩尾慎二
センター員(非常勤):奥田直樹、平澤直之
秘書(非常勤):松井典子
2007年4月より奥田医師の転任にともない、萩尾医師が着任した。

業務実績

本年における当センターの実績としては、これまで同様、股関節疾患の高度先進的治療という目的から、より良好な治療成績をあげるべく、筋肉非切離小侵襲手技による人工股関節置換術の採用と術直後よりの離床・リハビリの実行成果の検討、赤外線ナビゲーションシステムの開発提携ならびに実際の臨床現場における手術への適用を行っている。当科が大阪大学、千葉大学、米国ベーラー大学と協同して開発した人工関節に用いることにより、さらなる手術精度の向上と相まって、術後早期よりのリハビリが可能となり、良好な成績をあげ、術後早期の自宅への退院を実現している。
また本年度も、各大学・医療施設より手術見学を多数受け入れ、新しい股関節外科治療技術の指導ならびに情報交換を行い、具体的には、中殿筋非切離による小皮切人工股関節置換術を導入することにより、患者の術後疼痛の軽減をはかるなど、新しい股関節外科手術法の開発・検討を行っている。一方、地域の特性として、例年のことながら当地区における高齢者の増加は年々顕著となっている。これに伴い、当科における大腿骨頚部骨折の増加傾向も明らかである。これら高齢者の骨折に対しては、当院の内科(循環器科、呼吸器科、腎センター)、麻酔科各科との好意的な協力が得られており、積極的に外科治療を行い良好な成績をあげている。
急性期病院でありながら、人工骨頭置換術では平均32日の入院、骨接合術では平均35日でほぼ外傷受傷前のレベルまで回復し、自宅あるいは入所施設に退院している。変形性股関節症に対する人工股関節置換術は、2004年4月より術後2週プログラムを用い、合併症がある例をすべて含んだ平均在院日数は29日(術後25日)、合併症のない症例では平均在院日数は16日(術後15日)であった。また、再置換術における在院日数は平均39日(術後36日)であり、全員自宅へ歩行退院している。なお、臼蓋形成不全症例に対しては、症例に応じて寛骨臼回転骨切り術(RAO)、臼蓋形成術(Chiari、Spitzy)を行い、良好な成績を得ている。RAOの平均在院日数は32日(術後30日)であり、合併症等は見られていない。臨床検査科の多大な協力のもと、全例、臥床中はフット・ポンプを使用し、術当日離床前に下肢超音波(エコー)検査による下肢静脈血栓の有無を確認した上で、術当日の離床を行い、深部静脈血栓、肺塞栓、肺梗塞の予防につとめている。
2007年の当施設手術見学者:札幌医科大学、旭川厚生病院、国立千葉医療センター、富山大学、鶴瀬病院、厚生中央病院、水戸赤十字病院、西大宮病院、東京慈恵会医科大学、福岡飯塚病院、JR広島病院、埼玉県立総合リハビリテーションセンター、東京警察病院、国立熊本医療センター、岐阜赤十字病院の計15施設であり、見学者総数は25名であった。

手術症例

2007年における入院手術治療ならびに合併症の実績は下記のごとくである。
変形性股関節症:240関節 / 人工股関節置換術251関節、Spitzy棚形成術1例
人工関節のゆるみ:16関節 / 人工股関節再置換術16関節
大腿骨頭壊死:2関節 / 人工股関節置換術2関節
臼蓋形成不全:6関節 / 寛骨臼回転骨切り術(RAO)6関節
人工股関節感染(他医より):6関節/抜去抗生剤入り骨セメント挿入6関節
股関節鼠:1関節 / 関節切開・遊離体摘出1関節
股関節骨軟骨腫症:2関節 / 関節切開・遊離体摘出1関節、滑膜切除術1関節
股関節唇骨化症:4関節 / 骨化切除術4関節
大腿骨頚部骨折(内側型):47関節 / 人工骨頭置換術44関節、骨頭摘出術3関節
大腿骨頚部骨折(外側型):60関節 / 骨接合術60関節
その他:11関節

手術成績

手術成績については、人工股関節置換術では長期成績が重要であるが、短期成績としては、術後感染の有無と術後脱臼の有無が問題とされる。術後早期感染は2005年に1例発症したが、術後早期の皮下感染が原因と考えられ、発症早期に洗浄、病巣掻爬を行うことにより、現在までのところ炎症所見、臨床所見とも全て陰性であり、再燃は見られていない。また術後入院期間に影響する術中骨折の発症は、2007年は5例(1.8%)に発症したが、いずれも術中の処置、術後リハビリの2週程度の延長により治癒している。当センター開設後における人工股関節置換術ならびに人工股関節再置換術は、合計780股であり、発症率は、0.13%である。また術後脱臼については、2006年に1例のみ発症した。現在、初回人工股関節置換術については、2006年8月以降は100%MIS(Minimally Invasive Surgery;最小侵襲手技)による手術であり、ほぼ全例筋腱切離を行わないRoettingerらによるAL法(Antero-lateral Watson-Jones変法)を施行している。変形性股関節症に対する骨切り術や、臼蓋形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術においては、術後感染、合併症などは生じていない。近年問題となっている、有症性肺梗塞に関しては、ここ数年発症例はない。

股関節専門外来

毎週火曜日、金曜日の午後に股関節専門外来を開設している。外来患者数は、開設とともに徐々に増加しており、現在毎回平均35名が外来に受診され(延べ4200人/年)治療を受けている。
初診の予約窓口は次のとおりです。(電話予約可能)
整形外科(股関節):秘書 松井(水曜日・木曜日14:00から16:00)

研究、学会発表、研修など

学会発表

  • MIS-Anterior ApproachによるTHAにおける大転子部損傷の検討
    奥田直樹、松原正明、石井研史
    第37回 日本人工関節学会 東京 2007.2
  • 骨セメントと多孔性ハイドロキシアパタイトを組み合わせた新しい股関節スペーサーの提案と股関節深部感染の治療経験
    石井研史、松原正明、奥田直樹、小林雅文、川崎修平
    第37回 日本人工関節学会 東京 2007.2
  • 小皮切前外側進入による人工股関節置換術の成績 窶搭リ切離の有無による比較-
    松原正明、石井研史、奥田直樹、平澤直之
    第37回 日本人工関節学会 東京 2007.2
  • 一期的両側人工股関節置換術における周術期経過
    石井研史、松原正明、奥田直樹
    第80回 日本整形外科学会 神戸 2007.5
  • MIS anterolateral approach -comparison among muscle spare and mini one-
    Masaaki Matubara M.D. PhD.
    6th Asia-Pacific Orthopaedic Symposium, 2007.6, Bangkok, Thailand
  • 人工骨頭置換術後脱臼整復時に生じたアウターヘッド・インナーヘッド間の脱転
    藤原直人、松原正明、石井研史、奥田直樹、萩尾慎二、平澤直之、佐藤良治、横手龍、王陽東
    第34回日本股関節学会、金沢、2007.10
  • 人工股関節置換術後に生じた金属症による関節炎の一例
    佐藤広幸、金城則之、高木恵子、山里勝信
    第64回日本検査医学会関東甲信越例会、東京、2007.5
  • 筋非切離による小皮切前外側進入法を用いた人工股関節全置換術(modified Watson-Jones Approach)は2週間プログラムに有効か
    菊池佑至、加藤 佐季子、吉本 麻美、千葉 哲也、松浦 彩子、廣瀬 幸子、梅津 美奈子、松井 理絵子、渡邉 真巨、五十嵐 麻子、酒匂 啓輔、谷口 亜図夢、菅沼 由梨香、松原 正明
    第42回日本理学療法学会、筑波、2007.10
  • THAにおける NavigationとEBM
    松原正明、平澤直之、石井研史、奥田直樹
    第1回Japan Computer Aided Orthopaedic Surgery、大阪、2007.3
  • Stryker Navigation Systemを使用して行ったTHAの正確性
    平澤直之、松原正明、石井研史、奥田直樹
    第1回Japan Computer Aided Orthopaedic Surgery、大阪、2007.3
  • 当科におけるTHA
    松原正明
    1st BIOLOXR Study Meeting in KYOTO, 京都、2007.12
  • 最小侵襲人工股関節置換術患者の歩行自立に影響を与える因子
    五十嵐麻子、加藤佐季子、千葉哲也、松原正明、石井研史、萩尾慎二、奥田直樹
    第34回日本股関節学会、金沢、2007.10
  • THA術後オフセットとTrendelenburg testとの関係
    萩尾慎二、松原正明、石井研史、奥田直樹、平澤直之
    第34回日本股関節学会、金沢、2007.10
  • 当院における初回THAクリニカルバリアンス症例について
    萩尾慎二、松原正明、石井研史、奥田直樹、平澤直之
    第34回日本股関節学会、金沢、2007.10
  • antero-LateralアプローチTHAにおける適切なインプラント設置角
    石井研史、松原正明、萩尾慎二、奥田直樹、平澤直之
    第34回日本股関節学会、金沢、2007.10
  • 人工股関節全置換術後の当日離床が身体に及ぼす影響
    斉藤樹里、橘内綾、浪井里圭、松原正明
    第34回日本股関節学会、金沢、2007.10
  • Stryker Navigation SystemにおけるMISとの併用
    平沢直之、松原正明、石井研史、萩尾慎二、奥田直樹
    第34回日本股関節学会、金沢、2007.10
  • MIS-Antero-lateral ApproachによるTHAにおける大転子損傷の検討
    奥田直樹、松原正明、石井研史、萩尾慎二、平澤直之
    第34回日本股関節学会、金沢、2007.10
  • 人工股関節感染に対する治療
    石井研史、松原正明、奥田直樹、小林雅文、川崎修平
    第56回東日本整形災害外科学会、軽井沢、2007.9

 

紙上発表

  • 変形性股関節症
    松原正明
    IPPO 6:134
  • MIS前外側進入法によるTHA術後早期に生じた大転子骨折の検討
    奥田直樹、 松原正明、 石井研史
    Hip Joint33巻 347-351
  • 一期的両側人工股関節全置換術における周術期経過
    石井研史、松原正明、 奥田直樹
    Hip Joint33巻 298-301
  • 大腿骨頚部骨折患者の人工骨頭置換術後の感染予防
    小沼亜希子、 馬場さおり、 長谷川照子
    Hip Joint33巻Suppl. 22-24
  • 小侵襲人工股関節全置換術(MIS-THA)進入法の違いによる術後機能について 第2報-前外側進入法における中殿筋切離の影響-
    吉本麻美、千葉哲也、 梅津美奈子、渡邉真巨、酒匂啓輔、谷口亜図夢、菊池佑至、加藤佐季子、松浦彩子、広瀬幸子、松原正明、石井研史、奥田直樹
    Hip Joint33巻Suppl. 139-141
  • Cementless total hip replacement after previous intertrochanteric valgus osteotomy for advanced osteoarthritis.
    Suzuki K, Kawachi S, Matsubara M, Morita S, Jinno T, Shinomiya K.
    J Bone Joint Surg. 89-B:1155-7.
  • MIS進入法
    松原正明、石井研史、奥田直樹、平澤直之
    整形・災害外科:50(5):553-561
  • 骨セメントと多孔性ハイドロキシアパタイトを組み合わせた新しい股関節スペーサーの提案と股関節深部感染の治療経験
    石井研史、松原正明、奥田直樹
    日本人工関節学会誌、37:110-111

 

教育研修講演

  • Ceramic on ceramic人工股関節置換術の中期成績
    松原正明
    第27回セラミックインプラント研究会、大阪、2007.12
  • 最小侵襲手技による人工股関節置換術
    松原正明
    第24回富山大学立山セミナー、富山、2007.7
  • 人工股関節置換術における小侵襲手術
    松原正明
    弘前大学夏季セミナー、弘前,2007.8
  • Prevention of Dislocation after Total Hip Arthroplasty
    松原正明
    第55回東海関節研究会、名古屋、2007.11

 

講演

  • 股関節の最新医療事情
    松原正明
    のぞみ会神奈川支部 医療講演会、横浜、2007.9
  • CentPillar 人工股関節置換術における短期成績と適応
    松原正明
    セントピラーセミナー、名古屋、2007.12
  • MIS-AL
    Masaaki Matsubara M.D. PhD.
    MIS-AL Facilitator Meeting, 2007.3, Bangkok, Thailand
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