股関節センター(予約制)2005年度 業務実績

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2005年 診療実績

業務実績

本年における当センターの実績としては、股関節疾患の高度先進的治療という目的から、より良好な治療成績をあげるべく、赤外線ナビゲーションシステムの開発提携、ならびに実際の臨床現場における手術への適用を行ってきた。これらを当科が大阪大学、千葉大学、米国ベーラー大学と協同して開発した人工関節に用いることにより、さらなる手術精度の向上と相まって、術後早期よりのリハビリが可能となり、良好な成績をあげ、術後早期の自宅への退院を実現している。さらに、東京工業大学システム科学科により開発された三次元加速度センサーを用いた、股関節症に対する歩行・歩容計測システムを用いて、東京工業大学システム科学科ならびに当院リハビリテーションセンターとの共同研究を始めている。また本年度も、各大学・医療施設より手術見学を多数受け入れ、新しい股関節外科治療技術の指導ならびに情報交換を行い、具体的には、中殿筋非切離による小皮切人工股関節置換術を導入することにより、患者の術後疼痛の軽減をはかるなど、新しい股関節外科手術法の開発・検討を行っている。一方、高齢者が多いという地域の特性は年々顕著となっている。この結果、当科における大腿骨頚部骨折の増加傾向も明らかである。これら高齢者の骨折に対しては、当院の内科(循環器科、呼吸器科、腎センター)、麻酔科各科の好意的な多大な協力が得られており、積極的に外科治療を行い良好な成績をあげている。
急性期病院でありながら、人工骨頭置換術では平均32日の入院、骨接合術では平均35日でほぼ外傷受傷前のレベルまで回復し、自宅あるいは入所施設に退院している。変形性股関節症に対する人工股関節置換術は、2004年4月より術後2週プログラムを用い、合併症がある例をすべて含んだ平均在院日数は29日(術後26日)、合併症のない症例では平均在院日数は22日(術後19.5日)であった。また、再置換術における在院日数は平均39日(術後36日)であり、全員自宅へ歩行退院している。なお、臼蓋形成不全症例に対しては、症例を選択し寛骨臼回転骨切り術(RAO)を行い、良好な成績を得ている。RAOの平均在院日数は43日(術後41日)であり、合併症等は見られていない。いずれの症例に対しても、術後翌朝よりの離床(術後1日以内)と床上でのフット・ポンプの使用により、肺塞栓、肺梗塞の予防につとめている。
2005年の当施設手術見学者:日本医科大学多摩永山病院、荻窪病院、福井県済生会病院、国立東京医療センター、金沢大学、神奈川リハビリテーション病院、厚生連高岡病院、順天堂大学、同仁会周南記念病院、東京都多摩南部地域病院、秋田大学、埼玉県立総合リハビリテーションセンター、東京警察病院の計13施設であり、見学者総数は21名であった。

手術症例

2005年における入院手術治療ならびに合併症の実績は下記のごとくである。

  • 変形性股関節症:198関節/人工股関節置換術192関節,大腿骨外反骨切り術3関節、Spitzy棚形成術2例、Chiari骨盤骨切り術1例M
  • 人工関節のゆるみ:8関節/人工股関節再置換術8関節
  • 人工関節習慣性脱臼:1関節/人工関節再置換術1関節
  • 大腿骨頭壊死:7関節/人工股関節置換術7関節
  • 臼蓋形成不全:11関節/寛骨臼回転骨切り術(RAO)11関節
  • 大腿骨頚部骨折(内側型):51関節/人工骨頭置換術49関節、骨頭摘出術2関節
  • 大腿骨頚部骨折(外側型):61関節/骨接合術61関節
  • その他:2関節

股関節専門外来

毎週火曜日、金曜日の午後に股関節専門外来を開設している。外来患者数は、開設とともに徐々に増加しており、現在毎回平均20名が外来に受診され(延べ3500人/年)治療を受けている。
股関節専門外来をご予約される方は毎週水曜、木曜日の14:00?16:00、070-5210-2981(予約専用)までご連絡ください。

手術成績

手術成績については、人工股関節置換術では長期成績が重要であるが、短期成績としては、術後感染の有無と術後脱臼の有無が問題とされる。術後早期感染は2005年に1例発症したが、術後早期の皮下感染が原因と考えられ、発症早期に洗浄、病巣掻爬を行うことにより、現在までのところ炎症所見、臨床所見とも全て陰性であり、再燃は見られていない。当センター開設後における人工股関節置換術ならびに人工股関節再置換術は、合計511股であり、発症率は、0.2%である。また術後脱臼については、2005年には発症しなかった。現在、人工股関節置換術については、95%はMIS(Minimally Invasive Surgery;最小侵襲手技)による手術を施行している。変形性股関節症に対する骨切り術や、臼蓋形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術においては、術後感染、合併症などは生じていない。近年問題となっている、有症性肺梗塞に関しては、ここ数年発症例はない。

研究、学会発表、研修など

学会発表

  • SL-PLUS ステムによる人工骨頭置換術後の短期成績
    平澤 直之、松原 正明、菅田 祐美、佐藤 良治、上杉 幸二、原 勤
    第35回 日本人工関節学会学術集会、沖縄、2005年2月3日
  • 近位大腿骨固定型Short stemによるTHAの短期成績
    菅田 祐美、松原 正明、佐藤 良治、平澤 直之、上杉 幸二、原 勤
    第35回 日本人工関節学会学術集会、沖縄、2005年2月3日
  • 京セラ製セメントレスセラミック・セラミック人工股関節置換術の中期成績
    松原 正明、平澤 直之
    第35回 日本人工関節学会学術集会、沖縄、2005年2月3日
  • Stryker社THA Navigation Systemを用いたTHAの正確性の評価
    平澤 直之、松原 正明
    第35回 日本人工関節学会学術集会、沖縄、2005年2月3日
  • 3次元加速度センサーを用いて計測したTHA術前・術後歩行パターンの変化
    松原 正明、平澤 直之、奥田 直樹、三宅 美博、和田 義明
    第32回 日本股関節学会学術集会、新潟、2005年11月8日
  • Stryker社製CT-based hip Navigation Systemを使用して行ったTHAの正確性-従来のmanual法と比較して
    平澤 直之、松原 正明、奥田 直樹
    第32回 日本股関節学会学術集会、新潟、2005年11月7日
  • 片側変形性股関節症の三次元加速度センサを用いた歩行解析と股関節周囲筋力の検討
    奥田 直樹、松原 正明、平澤 直之
    第32回 日本股関節学会学術集会、新潟、2005年11月7日
  • 小侵襲人工股関節全置換術(MIS-THA)進入法の違いと術後機能・ADL改善-2週間プログラムへの影響
    谷口 亜図夢、松原 正明、千葉 哲也、松井 理絵子、渡邉 真巨、吉本 麻美
    五十嵐 麻子、酒匂 啓輔、戸田 雄、菊池 佑至、平澤 直之、奥田 直樹
    第32回 日本股関節学会学術集会、新潟、2005年11月7日
  • MIS-THA手技の工夫
    松原 正明、平澤 直之、奥田 直樹、片桐 洋樹、佐藤 良治
    第33回日本リウマチ・関節外科学会学術集会、東京、2005年11月12日
  • 三次元加速度センサー計測装置による片側変形性股関節症術前・術後の歩行の検討
    松原 正明、平澤 直之、奥田 直樹、三宅 美博、和田 義明
    第42回日本リハビリテーション医学会学術集会、金沢、2005年6月16日
  • 三次元加速度センサーを用いた計測装置による歩行の検討
    和田 義明、三宅 美博、松原 正明
    第42回日本リハビリテーション医学会学術集会、金沢、2005年6月17日
  • 小侵襲人工股関節置換術の成績
    松原 正明、平澤 直之、上杉 幸二、菅田 祐美、佐藤 良治、原 勤
    第78回日本整形外科学会学術集会、横浜、2005年5月14日
  • 京セラ社製セメントレスセラミック・セラミック人工股関節置換術の中期成績
    松原 正明、平澤 直之、上杉 幸二、菅田 祐美、佐藤 良治、原 勤
    第78回日本整形外科学会学術集会、横浜、2005年5月14日

 

講演

  • MIS-THAの戦略
    松原 正明
    関西股関節研究会 教育研修講演 2005年12月22日、大阪
  • 松原 正明
    Centpillar Users Forum 2005年12月8日、大阪

 

紙上発表:雑誌

  • THA術後の股関節角度と靴下着脱能力について
    千葉 哲也、松井 理絵子、本間 あゆみ、吉本 麻美、谷口 亜図夢、五十嵐 麻子、戸田 雄、平澤 直之、松原 正明
    Hip Joint Supple.;vol.31: 83-86, 2005
  • 近位大腿骨固定型Short stemによるTHAの短期成績
    菅田 祐美、松原 正明、佐藤 良治、平澤 直之、上杉 幸二、原 勤
    日本人工関節学会誌 第35巻:167-8、2005年
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