胸部外科業務実績・研究業績

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2016年度  2015年度 

スタッフ紹介(2016.3現在)

センター長:栗原 正利
副センター長(部長兼任):溝渕 輝明
医 長:山中 澄隆
非常勤:江花 弘基(順天堂大学)、肥塚 智(東邦大学)

活動状況

気胸研究センターの活動目標は大きく三本柱がある。
1 患者さんが当研究センターで治療を受け肉体的にも精神的にも回復し、「ここで治療を受けて間違いなかった」と満足して社会復帰できること。
2 気胸肺嚢胞に関する多面的な研究活動を義務と考えて、この分野で世界的にリードしていくこと。
3 診療、研究を通して私たちが人間としての深みと寛容を身につけ、より高い倫理観を身に着けること。
こうした基本理念のもとに様々な活動を行ってきた。
即ち、中心となる研究グループは順天堂大学呼吸器内科 瀬山邦明准教授、日赤医療センター病理部 熊坂利夫医師および気胸肺嚢胞スタディグループの医師達である。
(1)LAM研究
リンパ脈管筋腫症患者における気胸の治療に対してTPC治療(total pleural covering)の症例数が80例を越えた。その手技や術式も次第に完成されてきた。術後の様々な影響を検討して良好な成績である。厚労省の特定疾患の治療法にも掲載されており、この治療法が日本および海外で標準的な治療法として認められつつある。
(2)BHD研究
Birt-Hogg-Dube症候群に対するDNA解析と病理学的検討および、病態の解析研究を行っている。研究成果は徐々に出始めている。治療としてはTPCとLPC治療(lower pleural covering)を行い、術後気胸再発例はほとんどなく経過している。革新的な治療法として確立されつつある。
(3)難治性遷延性気漏の治療法としてTGF治療(thoracographic fibrin glue sealing method)は確立されたと考えている。この技術を全国的に広めることが今後の活動の一つである。海外への普及を考え、国際学会への発表と英文論文投稿を行いつつある。
(4)EWS研究
全国的な治験は終了して、2013年には保険診療が認められた。
(5)月経随伴性気胸研究
聖路加国際病院放射線科医の指導のもとにMRI画像診断を試みている。画像で月経随伴性気胸の画像診断可能例も徐々に増えており、その限界や特質も解析されつつある。
芳賀芳弘医師が気胸研究センターでまとめた論文「胸腔内子宮内膜症関連気胸の診断に関するスコアリングシステムの検討」で千葉大学より医学博士を授与された。
福岡みずき医師が気胸研究センターでまとめた論文「胸腔内子宮内症関連気胸の月経周期における発症日に関する」が千葉大学の医学博士取得のための学内は発表が終了した。
月経随伴性気胸の再発機序も我々の手術経験から解明されつつあり、2016年以降の中心になる研究課題である。子宮内膜組織の胸腔内での進展機序が解明されつつある。ステージ分類による治療成績も明らかになりつつある。
(6)気胸肺のう胞スタディグループの活動
2010年度の年報で当グループの設立を紹介したが、年2回の研究報告会および内科・外科・病理・放射線科との意見交換、共同研究を行っている。
(7)J-LAM(リンパ脈管筋腫症患者の会)への支援
日本に約400人存在するLAM患者さんを支援している。毎年患者会を開催して、患者さん向けの勉強会を行っている。内容は症候群であるため多臓器の障害に対する研究状況や治療法から、個々の精神的、肉体的問題から家族関係にいたるまでの相談に応じている。最近、治験薬ラパマイシンの無償供与が決まった。
(8)月経随伴性気胸の患者会「桔梗の会」の設立
気胸研究センターが支援している。会員は100名を超えた。
(9)看護研究への協力
国内の学会発表を支援している。「デジタル式胸腔ドレナージ装置トパーズに関する看護上の評価」「気胸患者への術前訪問における動画説明の有効性」などをデータの集め方、まとめ方、発表の方法などを指導している。
(10)日本呼吸器外科学会および日本胸部外科学会の新専門医制度委員会委員に属し、新専門医制度の在り方、カリキュラム、プログラムをなどの作成に参加している。
(11)その他
2015年8月より、山中澄隆医師が赴任して3人体制となった。 手術のフル活動の為には4人態勢が必要である。呼吸器外科医不足のために呼吸器外科医の増加は厳しい状況が続き、常勤3人態勢が現状である。

今後の目標

専門外来、専門病棟の確立とスタッフの充実を図ること。どうしてもマニュアルに頼りがちな看護師の知識や技術を相互に信頼できるチーム医療づくりを行うこと、および更なる研究体制、診療体制の充実を図る。

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