リハビリテーション科業務実績・研究業績

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2016年度  2015年度 

スタッフ紹介(2016.3現在)

部 長:和田 義明
副部長:平島 冨美子
非常勤:稲葉

活動状況

現在回復期リハビリテーション入院料Ⅰを算定しており順調に機能している。病床利用率は従来通りで大きな変化はなかった。周辺多数の病院からご紹介をいただき、回復期病棟を運営させていただいているが、脳外科が増員され脳卒中の体制が強化されたこともあり、院内よりの転科が増加してきている。回復期リハビリ病棟を有する病院が近隣に増加しており、以前のように大田区などからの入院は減少し世田谷区を中心とした紹介にシフトしている。当院では単にリハビリのみならず、病態や(介護保険を含めた)退院後の生活などにつき、患者、家族を対象に説明会を定期的に行い、再発予防などについての啓発を継続的に行っている。
また、平成22年度より東京都より高次脳機能障害者支援普及事業「専門的リハビリテーションの充実」のモデル事業を委託され、当病院は区西南部高次脳機能障害支援センターとして活動を行っている。現在はモデル事業から事業となり事例の相談業務、症例検討会、研修会の実施などを行い、毎回100名前後の参加者があり、地域の中核機能を発揮している。
区西南部脳卒中連携、区西南部リハビリ幹事会とも継続して参加しており、当圏域でのシームレスな連携の構築に寄与している。
東京工業大学知能システム科科学専攻複雑システム解析講座の三宅美博教授と共同研究を継続して行い、新たなセンサーを用いた歩行解析装置での脳卒中歩行の検討を行っている。現在はCOIという東京工業大学、NTTなどとの共同研究に医療の立場で参加している。
このほか首都大学東京、健康福祉学科の網本 和教授とも共同研究を行っており、経頭蓋反復磁気刺激(TMS)、経頭蓋直流刺激(tDCS)を用いた回復期での機能回復への応用についての研究を行っている。
失語症のトレーニング用のアプリ開発についても共同研究を行っている。

外来患者(2015年4月~2016年3月)

外来患者再診数は4433名で新患は151名だった。昨年と比較し新患数は1.5倍に増加したが、総数は減少傾向だった。外来での痙縮、顔面痙攣などに対しボトックス治療は、23件に投与した。今後治療を拡大していく予定である。

入院患者(2015年4月~2016年3月)

 平成27年4月1日から平成28年3月31日の回復期病棟での退院患者総数は142名で、発症後入院まで平均35.9日、平均入院日数は88.1日。昨年より、総入院患者は同じで、入院期間は短縮したため、平均入院患者数は目標数に達しなかった。当院救急入院からの回復期への移行が増加し、院内からの転科は33名だった。その内訳は男性84名、女性58名で平均年齢は71.0歳(19~95歳)。このうち75歳以上が63名と約44%を占め、80歳以上では47名と約33%を占めていた。このような高齢化は近年同様である。入院患者の住所は世田谷区106名、目黒区13名、狛江市4名、川崎市・横浜市11名、大田区1名、品川区4名、調布市2名、その他2名で、居住分布は昨年と変わらず同様であった。地元の世田谷地域の患者を中心とした、当地域での脳卒中急性期診療からリハビリへの流れがより密に構成され、地域包括ケアの一端を担うことができている。
 入院142名の中で疾患の内訳はほとんどが脳卒中患者であり総計119名、(脳梗塞76名、脳出血39名、くも膜下出血4名)、その他、脳挫傷8名、ギラン・バレー症候群、4名、廃用症候群3名、低酸素性脳症、大腿骨頸部骨折、脳腫瘍がそれぞれ2名、慢性硬膜下血腫、頚髄損傷がそれぞれ1名だった。合併症としては高血圧が87名、脂質異常症が33名、糖尿病が21名、心房細動が30名だった。
 症状としては右片麻痺45名、左片麻痺52名、両麻痺7名、失調のみは10名。高次脳機能障害では失語症は43名(30%)、半側空間失認は33名(23%)( 左23、右10名)、失行20名(15%)、前頭葉症状15名(11%)、認知症30名(22%)であり、高次脳機能障害の合併は例年どおり高率だった。このほか訓練の必要な嚥下障害も30名(経管栄養・胃ろう8名)に見られた。入院中の合併症としては症候性痙攣発作2名、脳卒中再発2名、肺炎2名、胆石・胆のう炎1名、下血1名、大腿骨頸部骨折1名、大腿骨頸部骨折1名、外科転科後死亡1名があった。
 入院後の改善にはFIMを導入して検討しているが、入院時76.0点から退院時99.0点まで改善をしており、ほぼ同じだった。回復期病棟退院となった142名のうち自宅退院は121名、施設入所が13名、転院7名、転科死亡1名であり、自宅退院率は85.2%だった。従来同様の在宅復帰率であり、当院の目標である在宅に返すリハビリはその役目を十分に果たしていると思われる。
 内科・外科からの廃用と誤嚥に関するリハビリ依頼が増加してきている。入院患者の性質上仕方のないことであるが、人員的に限りがあり、今後病棟での看護師、医師を中心とした活動が望まれる。

今後の目標

 外来でのリハビリ、特に維持リハビリは引き続き地域との連携を深め、介護保険体制でのリハビリへの円滑な移行をさらに進めていきたいと考える。入院リハビリは良好なアウトカムと、適正なリハビリ期間が今後さらに一層求められてきており、従来どおり在宅を目指したリハビリを行う。引き続き1年365日にわたり毎日十分な量(単位/日以上)のリハビリが実行できるような体制作りをしていく。先端的な治療としてボトックス治療、HANDS療法、CI療法、rTMS、tDCSなどを取り入れさらなる上肢機能の改善を目指したい。
 また、研究面では東京工業大学、首都大学東京との共同研究を引き続き進めていく。特に東京工業大学とは2015年度より引き続きCOIとしての活動が求められている。そのほか東京都の事業を実施し、当地区での高次脳機能を支えていく役割を果たしていきたいと考えている。

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