診療科のご案内			<p>股関節センター

小児の股関節疾患

小児における股関節疾患としては、以下の疾患などがおもなものです。(発症年齢順)

 

化膿性股関節炎:生後2~3日から数週間以内に発症することが多い。

多くは、全身の発熱と、ぐずりがやまず、場合によっては股関節周囲の腫れで見つかります。発見されたらできるだけ早く股関節に針を刺して排膿(膿を出すこと)するか、手術により関節を切開し、関節をきれいに洗浄(洗う)する必要があります。

 

先天性股関節脱臼:女児に多い疾患です(女児:男児=9:1)。

ほとんどが生後より発見されますが、歩行可能になってから歩きかたが異常であることを指摘されて見つかる放置例も見られます。

治療法としては、リーメンビューゲル装具(足にバンドをつける)で治療できる場合、オーバーヘッド牽引(入院して足を錘で引っ張り、整復する方法)を要する場合、手術を要する場合があります。

いずれにしても大切なことは、乳幼児の大腿骨頭は変形をきたしやすいため、無理な整復操作を行わないで、骨頭の球形性(まるみ)を保つような愛護的な治療法であることが必要です。

 

ペルテス病:学童期の男児に多く見られる疾患です。

骨頭核(股関節が丸く成長する部分です)に疎血性壊死(栄養が通わなくなった状態)を生じるために、初期には下肢の傷みを、成長するにつれて骨頭が平らになったり、運動制限が見られるもので、青壮年期以後に関節軟骨が削れて変形性股関節症に移行する人もいる疾患です。

初期には、運動時や歩行時に膝の周囲が痛くなることが多く、医者を受診して膝のレントゲンを撮っても"異常なし"と言われることが多いようです。また、初期には股関節のレントゲン写真でも異常を見いだせない場合もあり、専門医の注意深い観察が必要です。

われわれは、MRIにより初期に撮影することで、疎血部分を確認した上で、治療法を選択しています。

治療法としては、経過観察のみの場合と、何らかの治療を要する場合があり、保存的治療法としてギプス固定、手術療法として骨切り術があります。ギプス、手術ともに長所・短所がありますが、それぞれについては、十分ご理解いただいた上治療法の選択をしていただくことになります。

 

大腿骨頭すべり症:身長が伸びる時期におこりやすい疾患です。

将来股関節の丸くなる部分(骨頭核)が大腿骨(骨幹端)からすべってしまう疾患です。

比較的肥満傾向のある児に多くみられ、時として両側におこることもあります。運動後に急激な痛みをともなって発症した場合などには、しばしば歩行不能になることもあります。

診断は、レントゲン画像にて行われますが、程度については、CTやMRIを用いた精査が有効です。

経過観察のみでは、改善することはほとんどないため、何らかの手術的治療が必要になります。

治療法としては、軽度の場合はすべった骨頭核と大腿骨をネジやピンで止めます。進行した場合には、骨切り術を行うこともあります。

 

特発性大腿骨頭壊死:ステロイド剤を大量に内服した場合に生じやすい疾患です。

プレドニン換算量が17mg/日以上となるとこの疾患の発症率が上がるとの報告があります。ステロイド剤を内服したからといってすべての人に発症することはありませんが、喘息、膠原病、若年性リウマチなどでステロイド剤を投与された場合には、注意深い観察が必要です。

早期よりの診断には、MRIが有用です。これにより病巣の範囲を特定することができ、治療法に役立ちます。

治療法としては、病気の範囲などにより異なりますが、非常に病巣が小さい場合には経過観察のみのこともあります。また、ある程度の大きさの病巣があり、日常生活に支障をきたす場合には、手術の適応となります。この場合、関節温存が可能であれば、大腿骨頭回転骨切り術や大腿骨外反骨切り術、内反骨切り術など病気の状態に応じて治療法を選択します。しかしながら、病巣が大きく関節温存の可能性が少ない場合には、関節固定術や人工関節置換術などになる場合もあります。

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