診療科のご案内 股関節センター

2006年度診療実績

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2004年度の業務実績についてはこちらをごらんください。

スタッフ紹介

センター長(部長 兼任)松原 正明
センター員(医長 兼任)石井 研史、(同)萩尾 慎二
センター員(非常勤) 奥田 直樹、平澤 直之
秘 書 (非常勤) 森田 純子
2006年4月より奥田医師の転任にともない、萩尾医師が着任した。

2006年度業務実績

本年における当センターの実績としては、これまで同様、股関節疾患の高度先進的治療という目的から、より良好な治療成績をあげるべく、筋肉非切離小侵襲手技による人工股関節置換術の採用と術直後よりの離床・リハビリの実行成果の検討、赤外線ナビゲーションシステムの開発提携ならびに実際の臨床現場における手術への適用を行っている。当科が大阪大学、千葉大学、米国ベーラー大学と協同して開発した人工関節に用いることにより、さらなる手術精度の向上と相まって、術後早期よりのリハビリが可能となり、良好な成績をあげ、術後早期の自宅への退院を実現している。

また本年度も、各大学・医療施設より手術見学を多数受け入れ、新しい股関節外科治療技術の指導ならびに情報交換を行い、具体的には、中殿筋非切離による小皮切人工股関節置換術を導入することにより、患者の術後疼痛の軽減をはかるなど、新しい股関節外科手術法の開発・検討を行っている。一方、地域の特性として、例年のことながら当地区における高齢者の増加は年々顕著となっている。これに伴い、当科における大腿骨頚部骨折の増加傾向も明らかである。これら高齢者の骨折に対しては、当院の内科(循環器科、呼吸器科、腎センター)、麻酔科各科との好意的な協力が得られており、積極的に外科治療を行い良好な成績をあげている。

急性期病院でありながら、人工骨頭置換術では平均32日の入院、骨接合術では平均35日でほぼ外傷受傷前のレベルまで回復し、自宅あるいは入所施設に退院している。変形性股関節症に対する人工股関節置換術は、2004年4月より術後2週プログラムを用い、合併症がある例をすべて含んだ平均在院日数は29日(術後26日)、合併症のない症例では平均在院日数は18日(術後16日)であった。また、再置換術における在院日数は平均39日(術後36日)であり、全員自宅へ歩行退院している。なお、臼蓋形成不全症例に対しては、症例に応じて寛骨臼回転骨切り術(RAO)、臼蓋形成術(Chiari、Spitzy)を行い、良好な成績を得ている。RAOの平均在院日数は43日(術後41日)であり、合併症等は見られていない。臨床検査科の多大な協力のもと、全例、術後離床前に下肢超音波(エコー)検査による下肢静脈血栓の有無を確認した上で、術当日の離床を行い、臥床中はフット・ポンプの使用により、深部静脈血栓、肺塞栓、肺梗塞の予防につとめている。

2006年の当施設手術見学者:山口労災病院、荻窪病院、板橋中央病院、慶応大学、鶴瀬病院、社会保険埼玉中央病院、東京都多摩南部地域病院、秋田大学、東京医科歯科大学、福島県立南会津病院、埼玉県立総合リハビリテーションセンター、東京警察病院の計12施設であり、見学者総数は27名であった。

2006年における手術症例

2006年における入院手術治療ならびに合併症の実績は下記のごとくである。

変形性股関節症:205関節/人工股関節置換術227関節、大腿骨外反骨切り術3関節、内反骨切り術1関節、Spitzy棚形成術3例
人工関節のゆるみ:16関節/人工股関節再置換術16関節
大腿骨頭壊死:2関節/人工股関節置換術2関節
臼蓋形成不全:1関節/寛骨臼回転骨切り術(RAO)1関節
人工股関節感染(他医より):6関節/抜去抗生剤入り骨セメント挿入6関節
化膿性股関節炎:1関節/切開排膿1関節
股関節鼠:1関節/関節切開・遊離体摘出1関節
股関節唇骨化症:2関節/骨化切除術2関節
大腿骨頚部骨折(内側型):43関節/人工骨頭置換術42関節、骨頭摘出術1関節
大腿骨頚部骨折(外側型):86関節/骨接合術86関節
その他:2関節

手術成績

手術成績については、人工股関節置換術では長期成績が重要であるが、短期成績としては、術後感染の有無と術後脱臼の有無が問題とされる。術後早期感染は2005年に1例発症したが、術後早期の皮下感染が原因と考えられ、発症早期に洗浄、病巣掻爬を行うことにより、現在までのところ炎症所見、臨床所見とも全て陰性であり、再燃は見られていない。当センター開設後における人工股関節置換術ならびに人工股関節再置換術は、合計511股であり、発症率は、0.2%である。また術後脱臼については、2006年に1例発症した。現在、人工股関節置換術については、95%はMIS(Minimally Invasive Surgery;最小侵襲手技)による手術を施行している。変形性股関節症に対する骨切り術や、臼蓋形成不全に対する寛骨臼回転骨切り術においては、術後感染、合併症などは生じていない。近年問題となっている、有症性肺梗塞に関しては、ここ数年発症例はない。

股関節専門外来

毎週火曜日、金曜日の午後に股関節専門外来を開設している。外来患者数は、開設とともに徐々に増加しており、現在毎回平均20名が外来に受診され(延べ3500人/年)治療を受けている。

研究、学会発表、研修など

■学会発表
1.MIS前外側進入法によるTHA術後早期に生じた大転子骨折の検討
奥田直樹、松原正明、石井研史
第33回 日本股関節学会、2006年10月、東京

2.片側変形性股関節症の三次元加速度センサを用いた歩行解析と股関節周囲筋の検討
奥田直樹、松原正明、平澤直之、三宅美博
第36回 日本人工関節学会、2006年2月、京都

3.大腿骨頸部骨折を受傷した患者の股関節における関節包の厚さの検討
石井研史、松原正明、奥田直樹
第34回 日本リウマチ・関節外科学会、2006年11月、新潟

4.各種小侵襲(MIS)手技による人工関節置換術の成績(ビデオ・セッション)
松原正明
第34回 日本リウマチ・関節外科学会、2006年11月、新潟

5.MIS前外側進入法によるTHA術後早期に生じた大転子骨折の検討
奥田直樹、松原正明、石井研史
第34回 日本リウマチ・関節外科学会、2006年11月、新潟

6.極小侵襲(MIS)の進入法の相違による人工股関節全置換術術中・術後の可動域ならびに脱臼安定性の評価
松原正明、平澤直之、奥田直樹、片桐洋樹、佐藤良治、原勤
第79回 日本整形外科学会雑誌、2006年5月、横浜

7.股関節内に発生したガングリオン2症例
初鹿大祐、立石智彦、長谷川清一郎、酒井朋子、池田浩夫、松原正明、土屋正光
関節鏡31巻1号 Page174

8.股関節唇損傷に対する鏡視下関節唇部分切除術の術後短期成績
岩澤大輔、松原正明、平澤直之、佐藤良治、立石智彦
関節鏡31巻1号 Page167

9.三次元加速度センサーを用いた変形性股関節症治療後の歩容分析
松原正明、三宅美博、平澤直之、奥田直樹、片桐洋樹、原勤、佐藤良治
第79回 日本整形外科学会雑誌、2006年5月、横浜

10.大腿骨頚部骨折患者の人工骨頭置換術後の感染予防
小沼亜希子、伊藤早苗、矢野芙美子
第34回 日本リウマチ・関節外科学会、2006年11月、新潟

11.CT Based Navigation Systemを使用して行ったTHAの正確性
平澤直之、松原正明、奥田直樹、片桐洋樹、佐藤良治
第36回 日本人工関節学会、2006年2月、京都

12.日本人DDH髄腔適合性ステムの短期成績
松原正明、大園健二、菅野伸彦、原田義忠、李勝博、西井孝、三木秀宣、中村宣男、阿部功、平澤直之、奥田直樹
第36回 日本人工関節学会、2006年2月、京都

13.人工股関節全置換術後の骨盤傾斜の変化-Navigationを行う上での至適位置の設定
平澤直之、奥田直樹、石井研史、松原正明
第33回 日本股関節学会、2006年10月、東京

14.一期的両側人工股関節全置換術における周術期経過
石井研史、松原正明、奥田直樹
第33回 日本股関節学会、2006年10月、東京

15.大腿骨頚部骨折患者の人工骨頭置換術後の感染予防
小沼亜希子、伊藤早苗、矢野芙美子
第33回 日本股関節学会、2006年10月、東京

16.小侵襲人工股関節全置換術(MIS-THA)進入法の違いによる術後機能について(第2報)
吉本麻美、松原正明、奥田直樹、石井研史、千葉哲也、菊池佑至、加藤佐季子
第33回 日本股関節学会、2006年10月、東京

17.Accuracy of the positioning in THA using CT based navigation system
Naoyuki Hirasawa、Masaaki Matsubara
CAOS(Computer Assisted Orthopaedic Surgery)INTERNATIONAL meeting、Helsinki、2006

■紙上発表:雑誌
1.片側変形性股関節症の三次元加速度センサを用いた歩行解析と股関節周囲筋力の検討
奥田直樹、松原正明、平澤直之、三宅美博
日本人工関節学会誌36巻 Page330-331、2006

2.片側変形性股関節症の3次元加速度センサを用いた歩行解析と股関節周囲筋力の検討
奥田直樹、松原正明、平澤直之、三宅美博
Hip Joint32巻 Page540-544、2006

3.三次元加速度センサー計測装置による片側変形性股関節症術前・術後の歩行の検討
松原正明、平澤直之、奥田直樹、和田義明、小林哲平、三宅美博
Hip Joint32巻 Page522-525、2006

4.THAにおけるCT based navigation systemの有用性と現状における限界点
平澤直之、奥田直樹、松原正明
Hip Joint32巻 Page329-333、2006

5.小侵襲人工股関節全置換術(MIS-THA)進入法の違いと術後機能AD改善 2週間プログラムへの影響
谷口亜図夢、千葉哲也、梅津美奈子、松井理絵子、渡邉真巨、吉本麻美、五十嵐麻子、酒匂啓輔、戸田雄、菊池佑至、松原正明、平澤直之、奥田直樹
Hip Joint32巻Suppl. Page122-125、2006

6.【THAの脱臼と対策】 MIS-THAにおける術後管理とリハビリテーション
松原正明、平澤直之、谷口亜図夢、奥田直樹、酒井朋子、池田浩夫、大内洋、岩澤大輔、菅田祐美
関節外科25巻4号 Page437-442、2006

7.ED-71、a novel vitamin D analog、promotes bone formation and angiogenesis and inhibits bone resorption after bone marrow ablation.
Okuda N、Takeda S、Shinomiya K、Muneta T、Itoh S、Noda M、Asou Y. Bone.
2007 Feb; 40(2):281-92. Epub. 2006 Oct 16.

8.加速度センサを用いた運動学的歩行分析システム
―股関節疾患の術後リハビリにおけるWalk-Mate有効性評価への適応―
小林哲平、三宅美博、和田義明、松原正明
計測自動制御学会 論文集、Vol.42、No.5: 567-576、2006

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